ロボットが企業にもたらすメリット~導入事例集 製造業編~
経済産業省による補正予算を用いた「ものづくり補助金」について、
以前こちらのトピックスで話題に挙げましたが、今回はその補助金を用いて
実際にロボットを導入した企業の事例をいくつかお話させていただきたいと思います。
経産省が公開している事例集には様々な分野でのたくさんのロボットの活躍が載っています。
実際の現場でどのような活躍をしているのか?そこに生まれるメリットとは?
・・・そんなことをお伝え出来たらいなと思います。
(参考文献 ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2016)
製造業編
ロボット導入例①「内視鏡用マイクロモーターの製造工程にロボット導入」
大きな傷が残らず体への負担も少ない内視鏡手術、その手術に使用される内視鏡に必要な
マイクロモーターを製造している企業にロボットが導入されました。
マイクロモーター用の0.5mm~2mmの微細なモーターコイルを取り扱うため、
導入前は熟練工がピンセットで、大変集中を要する作業を行っていたそうです。
ロボット導入前 ↓
ロボット導入後 ↓
使用するロボット 人型ロボット(川田工業㈱)
ロボットが行う作業
巻線治具の巻線機へのセット→取り出し→半田上げ→成形ベーキング機へのセット→取り出し
→コイル取り出し機へのセット→治具仮置き機へのセット
これらを双腕ロボットにて行う
導入によるメリット
作業に当たる人数が 2人→0.5人 にDOWN
労働時間が 8時間→20時間 にUP
生産量が 75.2個→250個 にUP
付加価値として、過酷作業からの解放や、高レベルな熟練者が他の工程へ移動することで、
人材の有効活用を推進することができたそうです。
労働生産性 5.3倍
*労働生産性とは?
労働による成果(付加価値) ÷ 労働投入量(従業員数or時間当たりの労働量)
ロボット導入例①「眼内レンズの検査工程をロボット化」
眼内レンズとは白内障手術で摘出した水晶体の代わりに眼の中に挿入する人口のレンズのことで、
そのレンズの検査工程が自動化されロボットによる検査システムが確立されました。
導入前、検査工程では、約5000枚の寸法・光学検査を行うにあたり、1ロット約25分の
検査時間を要しており極めて小さいレンズの材質は透明な軟質樹脂製というもので、
人手での取り扱いはどうしても時間がかかるものだったそうです。
導入前 ↓
導入後 ↓
使用するロボット 多関節ロボット(㈱安川電機)
ロボットと光学自動検査装置が行う作業
眼内レンズを検査→適合不適合を自動的に判定→ロボットハンドが不適合レンズをピッキング
導入によるメリット
作業に当たる人数が 7人→1.7人 にDOWN
付加価値として、自動検査システムを導入したことにより、これまでは抜き取りによる
検査だった寸法検査も全数検査になり、品質の向上・信頼の向上が実現できたそうです。
労働生産性 4.2倍
以前、自動化についての記事でも触れましたが、ロボット導入による自動化により、
省人化が見込めることに加え、品質の向上にも貢献していることが事例集を読んでいると
よくわかります。
今回は、製造業におけるロボット導入例をご紹介いたしました。
次回は、食品製造業でのロボットの活躍をお伝えしたいと思います!
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