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多種多様な「ロボットの手」~エンドエフェクタ~①

前回こちらの記事で最新の産業用ロボットについて掲載しましたが、
今回はそのロボットのアームの先端に付くエンドエフェクタについてこちらもさまざまな
進化を遂げているので、いろいろな工夫を凝らしたエンドエフェクタを数回に分けて、
いくつかご紹介させてただきたいと思います!

まずはエンドエフェクタについて少しお話を・・・
ロボットシステムにおいてロボット先端部に取り付けて対象製品を移載するものを、
ロボットハンドチャックエンドエフェクタなどと呼びます。
これらは対象物の質量や形状、硬度、材質などにあわせて取り付けることになり、
ハンド自体の駆動源は電動、圧縮エアー、真空エアー、油圧などがあります。

今回気になったエンドエフェクタはこちら↓

ドイツに本社を有するロボット周辺機器メーカーの日本法人「シュンク・ジャパン」が
年内に発売予定のヤモリの手を模したグリッパー【PressGrip】

生き物の組成や形状などを研究し、人間の技術に取り入れる生体模倣という方法は
さまざまな場面で大きな成果を挙げていますよね^^
蜘蛛の糸を研究してできた人工の蜘蛛の糸は強度の強さから車や飛行機のボディに使われたり、
ハスの葉は決して濡れることがなく、その表面再現することで撥水に優れた塗料などが作られたり・・・
生き物から学ぶことって、とても多いと思います!

今回紹介するPressGripというグリッパーは、ヤモリの手を再現しているのだとか!
ヤモリといえば垂直の壁もなんのその・・・スイスイ上ることができるし、
天井からぶら下がったり、ガラスなどのようにツルツルした表面もしっかりとつかむことができます!
ヤモリの手の構造を説明した文面も読みましたが、内容が難しくてギブアップ(笑)
原子間に働く力で最も弱い種類のファンデルワールス力というものを利用しているらしい・・・
分子と分子の間に働く分子間力でものに張り付くヤモリ。
その手足表面の微細な構造を再現したグリッパー!
従来のグリッパーは電力や空圧で、対象物を吸着させていたが、PressGripはそれらを使用せず、
対象物に押し当てるだけの接触式で把持できるのだとか。
これにより、従来の真空吸着ハンドでは把持しにくかった、薄膜のフィルムや微小な電子部品を扱えるように!
ヤモリのようにガラスなどのすべりやすい素材にも対応でき、電力も使わないので省エネに!!

2月に行われた国際二次電池展でPressGripを採用したグリッパーを参考出品していて、
製品版は7月に行われる展示会ロボットテクノロジージャパンで初披露予定だったそうだが、
新型コロナの影響で残念ながら展示会が中止に・・・(次回は2022年7月開催予定だそうで、
そのころには無事開催されることを願います・・・)

こちらの企業は金属加工向けには、ロボットアームの先端ではなく、
工作機械の主軸頭にグリッパーを直接つけるための接続部品もあり、
金属を切削加工する工作機械に、加工前後の対象物の「搬送機能」を付与できるものもあるようで、
ロボットが不要で、導入コストも安く済むとのことです。

こういった最新技術がどんどん開発され、ユーザーの幅が広がり、自動化の多様化が進むことは
今後のFA産業に欠かせないことだと感じます。

面白い、すごいと思ったエンドエフェクタを見つけたらまたご紹介したいと思います^^♪

 

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